日本シリーズ2007~落合監督の判断~
今年の日本シリーズは中日の53年ぶりの優勝で幕を閉じた。それにしても、落合監督はすごい優れた監督だと思う。それは結果を見れば歴然である。3年間でリーグ優勝2回、2位2回。そして、今年日本1に。ホントすごいなあ。
日本1にケチがついている。完全試合目前の山井の交代。はあ、判断が分かれるところだ。山井本人にしてみれば、絶対に二度と廻ってこないチャンス。日本シリーズ、それも日本1を決めるその試合での、まさかの好投。野球漫画でも用意できないようなストーリーを作り上げた。「高橋陽一でも用意しないだろう」と思うようなストーリーだ。過去にも同様の気持ちを抱いた。それは、1998年夏の甲子園。そう松坂大輔の決勝ノーヒットノーランだ。あの時の横浜高校は神がかり的なところがあり、松坂のための甲子園という空気もあった。けど、山井は違っていた。だれもが考えもしないような舞台を自ら作り上げた。本人もこんなことになるとは、露にも思っていなかっただろう。ぼくが本人であれば、「試合を潰しても良い。最後まで投げたい。」というのが本当の気持ち。だって、あんな条件が揃うのは奇跡としか言えないから。結果、ああいうことになったけど、どんなに気持ちの整理をしようとしても、できるものではないと思う。でも、落合監督に対する不信感に繋がるものなのかといわれれば、それも違うだろう。だからこその葛藤なんだ。
落合監督にしても、「53年ぶりの日本一」、「しかもホームで」という思いは強いはず。実現するためには、この試合しかないという思いも当然だ。山井の予想以上の好投には、落合監督もびっくり。9回での交代は、苦渋の決断だろう。野球にたらればはない。予想として、勝つための可能性比較として、どちらの判断が適切だろうと考えた場合の岩瀬投入は妥当な決断だと思う。いや、理屈で考えれば当たり前なんだろうね。でも、落合も人の子。まして、優勝したらしたで、涙もろいところも見せる。2位に負けた時は、丸刈りにするくらいの人だ。心が痛んでいると思うよ。そう思うのも当然。でも、落合が「あの時、山井の交代を迷っていた」みたいな発言をしたら、それこそ山井が浮かばれない。
今回の件は一生山井の心に付きまとうだろう。でも、絶対できない心の整理を、すこしでも楽にするためには、落合の冷徹さに頼るしかないのだろうね。そう、落合は勝つために冷徹で、理に叶う判断をする人なんだと。また、落合自身もそれをわかっているからこそ、絶対に迷いを外には見せないだろう。このように考えると、落合の冷徹さはやさしさとも言える。
皮肉なもんだ。まあ、やさしいか冷徹かは、他人が感じるものではないのかもしれない。当人同士がどのように感じ合うかなんだろうね。
2007年の日本シリーズ第5戦。歴史に残ることには間違いない。
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