「ドラマの功罪シリーズ」です・・・というか、思い出話に花を咲かせています。いずれラストはドラマの功罪についての私見を語ることができたらなあ、と思います。そんなものが、果たしてぼくにあるのかどうか甚だ疑問だけども。あと、競馬の予想もしないとね。明日は、「中山記念」に「阪急杯」。まだ、予想中だ。
さて、今日は『野望の国』を取上げてみよう。といっても、このドラマ知っている人はごくわずかであろう。ぼく自身記憶の片隅にあるドラマの片鱗をつなぎ合わせて、調べながらやっとこの『野望の国』というドラマにたどり着いたのだから。
野望の国:1989年日本テレビ
キャスト:近藤真彦、沢口靖子、陣内孝則、香川照之、勝野洋
いろいろ調べてみると、この作品は当時日テレが相当力を入れていたらしいが、大コケをしたドラマであることが判明した。このドラマは3部構成になっており、第1部がマッチが主演、第2部がマッチの子役として沢口靖子が主演、第3部は、その子かもしくは孫役でマッチが主演するというもの。ん!?なんか、最近こんな作品あったなあ。そう!「百年の物語」である。あれは嵌ったなあ。とりあえず、おいておこう。このドラマの情報は今ほとんど残っていない。よって、ぼくの記憶からこのドラマを掘り起こす。とはいっても、ぼくもリアルタイムでしか見たことが無い。(しかも、小学低学年の時)どれほど可能かわからないがやってみよう。
第1部は幕末を舞台とする。主役である近藤真彦は、諸国行脚の中途で、高杉晋作(陣内孝則)と交流を深める。また、番組後半では、坂本龍馬との交流、亀山社中立上げの人として知られる、饅頭屋長次郎こと、近藤長次郎(香川照之)と行動をともにする。思えば、ぼくが香川照之という役者と出会ったのは、この番組がはじめてである。とは言っても、当時はあくまで長次郎であり、香川照之という存在は知らなかった。後年、「利家とまつ」で秀吉役で好演した香川照之を見たとき、少しだけ本ドラマの存在を思い出した。
「秀吉はひょっとして長次郎!?」
近藤長次郎は非常に勉強熱心であったが、後に社中の規則に違反したため切腹させられる。このシーンも本番組では重要シーンとして取上げられる。その時の、香川照之の演技は涙を誘うもの。うますぎる。近藤長次郎という人物は、フジテレビのドラマ、ダウンタウンの浜ちゃん主演、三谷幸喜脚本『龍馬におまかせ』でも登場している。
「まんじゅうや~」
といつも、龍馬から叫ばれつつも、うろちょろしていた人物だ。役者はグレチキの北原雅樹である。それはそれとして・・・。第一部での見所は、近藤長次郎の切腹シーンと、維新の動乱期の江藤新平(勝野洋)との出会いである。当時、江藤新平は政府の用人であり、しかもかなり政府の枢要にいた人。こんな人とも交わりがあったマッチは、かなり商人として成功していたのだろうか?(残念ながら、主役マッチの身分がよく分らない。志士ではなかったような気がするので、新政府と交わりのある商人役だったのだろうか・・・)江藤新平と言えば、後に征韓論争に破れ、下野し、佐賀の乱を起こして、刑死する人物である。新平とマッチのであった時期は、ちょうど征韓論争の時期だったと記憶している。征韓論争に敗れた新平は、にっちもさっちも行かない状況になったが、そこでマッチとのやり取りを通して、ある結論に達している。
「逃げれるところまで逃げてやる・・・」
この台詞は今でも、ぼくの心に刻まれている。そうだ。なにも体面を気にしている場合ではない。自分の信念があるならば、小さなプライドなどに捉われてはいけない。「臥薪嘗胆」にも近い。少年であったぼくではあったが、当時この台詞にシビれた。勝野の江藤新平というのもフィットしていた。そして、原因は忘れたが、マッチはその後、非業の死を遂げる。斬り合いで死んだような気がする。一人娘を残して・・・・
第2部、主演は沢口靖子。時代は明治30年代かな。日露戦争前夜である。主要出演者は光GENJIの内海光司。彼と沢口靖子の関係はよく分らない。ただ、沢口が柔道の使い手で、内海はその門下生なのかな。平和な日々が続きつつも、日露対立が深刻化していく中で、状況が変化していく。そして、内海も出生することになる。彼は、日露戦争最大の激戦地であった203高地に赴く。そして、激戦の末、頂上に旗を立てて息絶える。このシーンは子供心にも恐ろしいシーンとして記憶に残っている。思えば、この203高地の戦いは、機関銃が本格的に戦争に使用された世界最初として記録されているのかな。後の大量虐殺の戦争イメージのまさに草分的位置づけにある戦争だと思う。無謀の突撃作戦。容赦ないロシア軍の機関銃の乱射。後に仲代達也主演の『203高地』を見たが、その夜は眠れなかった。やはり、203高地の戦闘はすさまじいものだったのね。第2部のエンディングはどうであったのか覚えていない。
第3部。主演はマッチ。全2話である。時代は昭和前期だったように思う。満州へ移住するところがラストシーン。最後にテロップでマッチが太平洋戦争で戦死することが紹介され、終わる。それ以外の記憶はない。
総じて思うと、確かに回を重ねるにつれて明らかに尻すぼみしていくのは確かである。視聴率低かったんだね。ぼくとしては、レンタルビデオ化されてほしい。そうでなくとも、DVD化されたら、絶対に購入する。また見てみたいものである。日テレはこの時期、幕末ものに力を入れていたような気がする。86年「白虎隊」、87年「田原坂」、88年「五稜郭」、89年「奇兵隊」、90年「勝海舟」と、毎年年末に放送していた。89年の「奇兵隊」は主役は高杉晋作。思えば、この番組との関連性もあったのであろうか。ちなみに主演はマツケンサンバこと、松平健。かっこよかったねええ。
こういう、在野の人物(実在したかもどうかもわからない人物であるが)を素材に、歴史上の重要人物に交わるシーンを多用するドラマはおもしろいね。歴史上の大きな事件を民衆の視点から捉えるということを可能にする。その点が面白い。共通する点として、山田風太郎の「明治もの」の小説を上げる。ぼくは、まだ未読であるが、以前NHKで山田風太郎なんとか、というドラマがやっていた。まさに、有名な事件との係わり合いを日常の中に求めるものとして、非常に面白い。今後ぼくが読んでみたい小説を上げておく。
かな?おもしろいと思う。ドラマの記憶を辿ると、榎本加奈子演じる「なんとか」という女性が、ある事件にまきこまれるのだが、東京の村医者(この人が主役ね)に救われる。その後、榎本加奈子は熊本の県令の囲い者になるのだが、不運にも神風連の乱が起こり、県庁が襲撃され、県令は死去、囲い者の榎本加奈子が逃亡する。その時に残した言葉、
「ダンナイケナイ、ワタシハテキズ」
が流行語になるというもの。
このような、連続性、関連性の描き方が、山田風太郎は絶妙なのである。いづれ読みたい。そのときには、感想も残したいな。
と・・・もうドラマの功罪どころか、記憶の曖昧なドラマを曖昧なまま紹介するに留まってしまった。でも、『野望の国』は非常に面白い作品ですよ。本気でまた見てみたい!!
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